ニューズレター・JASESS No. 48

社会・経済システム学会 1999.12.15

 

社会・経済システム学会第18回大会のご報告

 

 謹啓 ますますご清栄のことと存じ上げます。

 第18回大会が、11月13日、14日の両日、法政大学多摩キャンパスで行われました。大会ニュースならびに第19回大会の開催要領等について、ニューズレターNo.48としてお届けします。

 *機関誌第18号ができました。先日の大会を欠席された会員の方々には、このニューズレターと共に送付させていただきました。

 

第18回大会は盛会裡に終了しました

 1999年度第18回大会は、11月13日(土)、14日(日)の両日、東京・町田市の法政大学多摩キャンパスで、「システム論を問いなおす:現状の問題にどう応えられるか」の大会テーマのもと盛会裡に行われました。

 例年行われている基調講演に代えて、今大会では、山口昌哉先生(当学会初代会長)を追悼するパネルが開かれました。飯尾先生の基調報告「システム論と社会『科学』」をめぐって、本学会の設立趣旨の再確認、今後の可能性など、パネラーの末石、吉田、阪本の各先生を中心に活発な議論が展開されました。

 2日目のシンポジウムでは、「社会経済システムのフロンティア」というテーマのもとに、「今何がシステム論のフロンティアなのか」についてではなく、「いかにしてフロンティアとなるか、フロンティアをいかに造り出していくか」が熱心に論じられ、フロアーからの質問、討論も多く、2000年に向けての新たな出発を意識した有意義な内容となりました。各分科会の報告、討論も好評裡に終了しました(これらの報告については、機関誌20号およびホームページに掲載予定です)。

 なお、次回第19回大会についてのお知らせは本ニューズレターの第3ページに掲載しております。

 

若手研究者の入会を促進し、学会の一層の活性化を

 別記の通り、今年度新入会員(大会時追加を含む)は16名で、会員総数は396名となっております。本学会は従来いたずらに規模の拡大を図ることによって学会の質を落とすことをいましめて参りました。今後もその方針が変わることはありませんが、学会の一層の活性化を図るためには若手研究者の増員が望まれます。そこで、今後は大学院生も含めて、若手研究者の入会を積極的に促そうという意見が理事会で出され、総会でも会長からその旨の報告がありました。

 お知り合いの方で入会希望者がおられましたら事務局まで郵便、ファックス、電子メールでご連絡下さい。折り返し、入会申込書、会則などをお送りいたします。入会申込書は学会誌の最後のページにもあります。また、別記の通り、新しく開設されました学会ホームページにも入会申し込み書があり、オンラインでの申し込みも可能です。ご利用ください。

 

収支状況は良好

 昨年度の収支状況も良好で、繰越金は今年度の予備費に回されることになりました。今年度から会費を値上げさせていただきましたが、機関誌の発行が年2回になることに伴う支出の増大のため、今年度予算では当期支出が当期収入を若干上回ることになりました。事務局としましては、できる限り経費を節減することにつとめるつもりでおります。

 

学会ホームページの開設

 当学会のホームページを開設することになりました。現在は、学会の紹介、事務局からのお知らせ、大会案内、機関誌の目次、ニューズレター、入会申込書などが掲載されています。今後、内容をさらに拡充することも考えております。当面は事務局のある静岡県立大学が管理を担当することになります。ホームページのURLは以下の通りです。

社会・経済システム学会ホームページURL

http://jasess.u-shizuoka-ken.ac.jp/

 

新入会員紹介 〜次の方々の新入会が承認されました〜

 浅利一郎(静岡大学・理論経済学:マクロ動学論)、高橋信一(岐阜経済大学・情報産業論)、森裕之(大阪教育大学・財政学)、吉田登(和歌山大学・環境システム、産業転換)、山田一隆(立命館大学大学院・都市地理学、地域政策)、高原康彦(千葉工業大学・経営工学)、三藤利雄(県立長崎シーボルト大学・情報通信論、コミュニケーション技術論)、後藤実(東京工業大学・社会学)、旭貴朗(東洋大学・システム理論)、高橋真吾(千葉工業大学・システム科学)、鈴木直義(静岡県立大学・教育工学、情報工学、代数学)、金森康(神戸商科大学大学院・社会政策論)松井啓之(愛知学院大学・計画支援システム論、ゲーミングシミュレーション、社会情報学)、木嶋恭一(東京工業大学・意思決定システム科学・数理的一般システム理論)、寺野隆雄(筑波大学大学院経営システム科学・経営システム)、大谷尚之(東北大学・農業経営学)

 以上、敬称略・受付順

 

会員名簿について

 新しい会員名簿を同封いたしました。会員名簿は2年に1回作成しております。ご住所、電話番号、所属などに誤りや変更がございましたら、事務局まで郵便、ファックス、電子メールでご連絡ください。また、今回より電子メールのアドレスを掲載することにしました。なお、事務局の電子メールアドレスは、jasess@fuji.u-shizuoka-ken.ac.jp です。

 

会費納入について

 会費未納(1999年度)、滞納(1998年度以前)の方には請求書を同封しましたので、宜しくお願いします。同封振込用紙をご利用下さい。請求書の同封されていない方は完納です。有り難うございました。

 

次回第19回大会は、奈良女子大学で開催することになりました

 第19回大会を下記要領にて開催することになりました。奈良女子大学での大会開催は2回目となります。会員各位の積極的な報告応募ならびに大会参加を宜しくお願い申し上げます。

 また第15回大会からは、一般システム論・システム理論に関するセッションが常設されていますので、大会テーマに拘らず奮って報告応募下さい。

 

 

【呼びかけ文】

 2000年は20世紀の最後の年であると同時に、新しい千年紀の最初の年でもある。世紀も千年紀もそれ自体は恣意的な区分に過ぎないとはいえ、新しい千年記への境目にあたる現在が、社会経済システムの地球規模での再構築の時期にあることは重大な意味を持つ事実である。

 このような社会経済システムのファンダメンタルな再構築の時代を生き、自らの学問をもって時代を切り拓く使命を持つことは、我々研究者にとって重い役目ではあるが、同時に非常に幸運なことだと言えるだろう。

 国際関係、政治、ビジネス、市場、金融、環境、情報コミュニケーション、福祉、地域社会、社会組織、企業組織など、ありとあらゆる領域やレベルでシステムの構造的な再構築が必要とされている。 

たとえば環境。問題は世界的に周知されているものの、経済優先の発想や個別的要因に対する個別的対処といった戦略はさしたる変容をみせていない。いま緊急な課題は、単なるデザインの変更ではなく、システムのデザインを支える思想の転換なのである。人間を中心に据えた制御・管理という発想の転換や変容、快適性・利便性・効率性についての新たな評価基準の導入などが待たれている。

 新しい現実に対処するためには、新しい革袋が必要である。試論的なアプローチを含めて、 新世紀のシステムをデザインするための枠組みの提案や、デザインそのものの意味についての検討など、システムの再構築のための研究を歓迎したい。

 

  1. 報告ご希望の方は、所属機関・氏名・報告論題・報告要旨(400字〜600字程度)を2000年5月31日必着で下記事務局までお送り下さい。
    • 送り先:
      〒422-8526 静岡市谷田52の1 静岡県立大学 国際関係学部 渡辺聡研究室気付 社会・経済システム学会事務局
  2. ご報告の採否は7月頃にご通知できると思います。
  3. ご報告頂くことになった際には、2000年9月30日締切で3,000字程度の報告要旨原稿をお願いすることになりますので、あらかじめご了解下さい。

 

よい新年をお迎えになられますよう、お祈り申し上げます。