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ニューズレター・JASESS No.54

社会・経済システム学会 2001.12.15

 

社会・経済システム学会第20回大会のご報告

 

 謹啓 会員諸氏におかれましては、ますますご清栄のことと存じ上げます。

 さて、本学会の第20回大会が、11月10日(土)、11日(日)の両日、京都大学経済学部で開催されましたので、大会報告ならびに次回第21回大会の開催要領等について、ニューズレターNo.54としてお届けいたします。

第20回大会は盛況のうちに終了しました

 社会・経済システム学会第20回大会は、「システム論を問いなおす:システム論の新展開−主題と方法−」と題する大会テーマのもと、11月10日(土)、11日(日)の両日、京都大学経済学部で開催され、一般分科会、企画分科会とも好評裡に終了しました。

 特別講演では、大手前大学学長の米山俊直先生が「宗教というシステム」という題目でご講演くださいました。京都祇園の祭礼などを例にとりながら、宗教的な祭礼が社会・経済システムとどのように関わりながらその大規模な実施を維持し続けているのかについてお話くださいました。

 今年度は、例年行われておりますシンポジウムに代え、プログラム委員会の企画による分科会を大会両日の午後に開催し、学会外からも3名の講師をお招きして、ご報告をお願いしました。幸い、両日の分科会とも多数の会員が参加され、活気のある分科会となりました。

 今年度の大会は参加者も多く、盛況のうちに終了することができました。日置大会実行委員長をはじめとする大会実行委員の皆様、お疲れ様でした。有難うございました。

 なお、次回第21回大会についてのお知らせは、本号の3〜4ページをご覧ください。

新入会員紹介 〜次の方々の新入会が承認されました〜

 氏名(所属:専門) 

 湯瀬裕昭(静岡県立大学経営情報学部:情報教育)、和田昌之※(滋賀県立大学環境学部:環境コミュニケーション)、新井潔(千葉工業大学社会システム科学部:社会的意思決定過程)、皆月昭則※(北陸先端科学技術大学院大学:機械工学、知識社会システム学)、小藪明生※(早稲田大学文学研究科:社会情報システム論)、永田晃也(北陸先端科学技術大学院大学:科学技術政策、技術経済論)、篠崎香織※(北陸先端科学技術大学院大学:社会システム論、経営工学)、大黒屋貴稔※(早稲田大学文学研究科:社会学)、大室悦賀(府中市役所:公共経済学、NPO)、定松淳※(東京大学大学院人文社会系研究科:環境社会学、科学社会学)、喜多一(大学評価・学位授与機構:システム工学)、小笠原泰(NTTデータ経営研究所:経営学、経営戦略論)、末松千尋(京都大学経済学研究科:経営情報、情報組織、情報戦略)、小山友介(京都産業大学経済学部:理論経済学)、高玉圭樹(ATR人間情報科学研究所:計算組織論、エージェント指向シミュレーション)、藤井一弘(甲子園大学経営情報学部:経営組織論、システム理論)、伊藤由子(甲子園大学経営情報学部:比較文化)、山縣正幸※(関西学院大学大学院商学研究科:ドイツ語圏における企業管理論)、田邊知((株)インフォマティカ:環境工学)、兼田敏之(名古屋工業大学工学部:社会工学、都市計画)、宇野斉(流通科学大学情報学部:組織論)、加藤大昌※(大阪大学大学院工学研究科:環境工学)、以上。

 (敬称略、受付順、※は学生会員)

機関誌の発刊および編集体制が変わります

 機関誌の発刊および編集体制の変更について機関誌編集委員会から提案があり、11月9日(金)の理事会、10日(土)の総会でそれぞれ承認されました。また、編集体制の変更と同時に、編集委員長の交代が行われ、塩沢由典編集委員長に代わって日下正基副会長が新たに編集委員長に就任することも承認されました。機関誌の発刊および編集体制の主な変更点は以下の通りです。機関誌の内容、論文投稿についての詳細は別紙「機関誌掲載論文についてのお知らせ」をご参照ください。

  1. 機関誌の発行を年間1号とし、特集を組むなどして内容を充実させる。
  2. 編集事務局を学会事務局から分離し、編集事務局は編集委員長が統括する。
  3. 編集委員会に編集委員長のほか、大会関連論文の編集者と小特集関連の編集者を常設する。
  4. 編集委員会の機能拡充に伴い、編集委員数を増員する。

名簿記載情報の確認と電子メールアドレスの記載について

 今年度は本学会の新名簿作成の年度にあたります。つきましては、名簿記載情報確認の葉書を同封させていただきました。葉書に記載されております情報に誤りや変更などがございましたら、赤字で訂正いただきましたうえで、平成14年(2002年)1月31日までにご返送ください。

 また、本学会会員のメーリングリストを作成する予定でおりますので、電子メールを使われている会員はメールアドレスをお知らせください。(名簿記載情報確認の葉書にも電子メールアドレスの欄が設けられております。)

会費納入について

 会費未納(2001年度)、滞納(2000年度以前)の方には請求書を同封いたしましたので、納入のほど宜しくお願いいたします。納入には、同封の振込用紙をご利用下さい。

よい新年をお迎えになられますよう、お祈り申し上げます。

 

社会・経済システム学会 第21回大会(2002年)のお知らせ

 

 第21回大会は、桃山学院大学において下記の要領で開催することになりました。例年にもまして、会員各位の積極的な報告応募ならびに大会参加を宜しくお願い申し上げます。

 また第15回大会からは、一般システム論・システム理論に関するセッションが常設されていますので、大会テーマに拘らず奮って報告応募下さい。

【大会テーマ趣旨説明文】

 世界は激動の様相を見せている。現代は新たなシステムへの過渡期であり、転換期である。第21回大会では、転換期の社会システムを取上げ、分析のための3つの軸として国家、市場、中間組織に焦点をあてる。国家と市場のあり方が世界的レベルで問われているが、新たに国家でもない市場でもない中間組織としてNPOや社会的経済(協同組合、共済、アソシエーション)などの存在とその役割が理論的にも実証的にも重要なテーマとなりつつある。この国家、市場、中間組織という3層を軸として、従来のシステムにおける矛盾の分析や新たな社会システムへの展望を含みつつ、転換期におけるシステムの諸問題を大会テーマとしたい。

 国家、市場、中間組織の3層は、それを特徴づける要素に分解していくと、民族、政府、政策、市場メカニズム、情報、効率、競争、協同、営利、非営利、私益、共益、公益などが現れる。これらはシステム、そのメカニズム、行動主体、その目的や根底に存在する価値観までを含んでいる。転換期の社会システムの議論では、これら3層の諸要素を主な切り口として、さまざまな具体的テーマが取上げられることになる。

 今日の具体的テーマはどれ一つを取り上げても、転換期特有の深刻な問題を抱えている。民族、資源・環境、グローバリゼーション(地域、国民経済、国際経済レベル)、IT革命、高齢化社会、財政再建、危機管理など、問題山積みのケースばかりである。激震に襲われているケースも少なくない。システムの盛衰という視点から見ると、システムの矛盾が拡大しつつあるケース、崩壊に向かっているケース、新たなシステムの萌芽が育っているケース、着実に新たなシステムとして発展に向かっているケースなど、さまざまなケースが同時に並存しているが、現代ではこれらが全体として転換期の社会システムを形成している。

 われわれは新たな社会に軟着陸できるのだろうか、それともハードランディングが待ちかまえているのだろうか。これまでの大会では、システム転換期の問題が何度も取り上げられてきたが、転換期においては、システム転換の問題はさらに重要度を増すであろう。従って、システムの本質に係るさまざまな研究とともに、システム転換に結びつく新たな実践的研究も歓迎されよう。

  1. 報告ご希望の方は、所属機関・氏名・報告論題・報告要旨(400字〜600字程度)を2002年5月31日必着で下記事務局までお送り下さい。
    • 送り先:〒422-8526 静岡市谷田52の1 静岡県立大学 国際関係学部 渡辺聡研究室気付 社会・経済システム学会事務局
  2. ご報告の採否は2002年7月頃にご通知できると思います。
  3. ご報告頂くことになった際には、2002年9月30日締切で3,000字程度の報告要旨原稿をお願いすることになりますので、あらかじめご了解下さい。

 


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