ホーム 更新情報 全国大会 機関誌 支部研究会 ニューズレター お知らせ 学会について

ニューズレター・JASESS

ニューズレター ・ JASESS No.63

社会・経済システム学会  2004.12.1

社会・経済システム学会第23回大会のご報告

謹啓 会員諸氏におかれましては、ますますご清栄のことと存じ上げます。

さて、本学会の第23回大会が、10月30日(土)、31日(日)の両日、大阪大学において開催されました。

大会報告ならびに次回第24回大会の開催要領等について、ニューズレターNo.63としてお届けいたします。

■第23回大会は好評裡に終了しました

 社会・経済システム学会第23回大会は、「システムのリスクと安全を考える」と題する大会テーマのもと、10月30日(土)、31日(日)の両日、大阪吹田市の大阪大学で開催され、各分科会の報告、討論をはじめ、各プログラムとも好評裡に終了しました。

 1日目午後の会長講演では、津田直則会長が「非営利価値と社会経済の革新」と題して、講演いたしました。また、1日目の企画分科会では、「リスク意識とリスク社会」というテーマのもとに、2日目の企画分科会では、「システムのリスクと安全」というテーマのもとに、それぞれ3名の報告者から、この分野における研究の最新動向について報告が行われました。

 今年度の大会は、第1日目に会員54名、第2日目に会員40名が参加し、盛況のうちに終了することができました。学会大会の開催に尽力された直井大会実行委員長をはじめとする大会実行委員の皆様のご努力に感謝いたします。

■次期理事監事が決まる

 2004年10月30日(土)の総会の席上、次期理事選出のための投票が行われました。その結果、得票上位だった下記の10名の方々が次期の理事に選出されました。

 金子泰純、塩沢由典、谷本寛治、津田直則、出口弘、徳安彰、直井優、中山慶子、福田亘、宮本孝二(以上10名、五十音順・敬称略)

 翌10月31日(日)に次期理事による理事会が開催され、18名の次期理事と2名の次期監事が選任されました。

 次期理事:畔上統雄、岩田昌征、奥田栄、小野瞭、小幡範雄、日下正基、高坂健次、阪本靖郎、佐藤慶幸、庄司興吉、竹下公視、長尾史郎、奈良由美子*、野田隆、日置弘一郎*、村田晴夫、依田博、渡辺聡(以上18名、五十音順・敬称略 *は新規)

 次期監事:岸本裕一、清成忠男 (以上2名、五十音順・敬称略)

 なお、次期理事、次期監事の任期は、いずれも2005年4月1日から2007年3月31日までです。

■次期会長に津田直則会長、次期副会長に直井優副会長

 2004年10月31日(日)に行われました次期理事による理事会において、次期会長に津田直則現会長、次期副会長に直井優現副会長がそれぞれ推薦されました。次期会長、副会長の任期は、どちらも2005年4月1日から2007年3月31日までです。

■新入会員紹介 〜次の方々の新入会が10月30日(土)の総会において承認されました〜

氏名(所属:専門) 今井良広(兵庫県健康生活部環境局環境政策課:地域経営論、非営利組織論)、八田典嗣(桃山学院大学大学院経営学研究科:マーケティング)、呉 云(麗澤大学大学院国際経済研究科政策管理修士課程:情報政策管理、政策科学、経営情報管理)、福島達臣(中央大学大学院総合政策研究科:政治システム、政策過程、地域政策、複雑系、医学、医療、福祉)、岩田弘尚(専修大学大学院経営学研究科助手:管理会計、原価計算、TOC)、兼子 諭(法政大学社会学研究科:社会学理論)、久世律子(法政大学大学院社会学研究科博士後期課程:社会学)、小高加奈子(奈良女子大学大学院人間文化研究科:経営学、社会心理学、社会学)、小松丈晃(北海道教育大学教育学部釧路校:社会学)、大門 毅(早稲田大学国際教養学部:開発経済論、公共政策論)(敬称略・受付順・※は学生会員)

■昨年度会計報告および今年度予算

 2004年10月30日(土)の総会で、昨年度の会計決算について岸本・清成両会計監事の監査報告書とともに事務局から報告があり承認されました。また、今年度予算案についても事務局より資料に基づき報告があり原案通り総会で承認されました。

 (会計報告、予算案資料は省略)

■第24回大会は、関西学院大学で開催することになりました

 社会・経済システム学会の第24回大会は、関西学院大学において下記の要領で開催することになりました。

  • 大会テーマ:「幸福・不幸と社会経済システム」
  • 開催日:2005年11月12日(土)・13日(日)
  • 場所:関西学院大学
  • 大会実行委員長:高坂健次
  • 連絡先: 〒662−8501 西宮市上ヶ原一番町1−155関西学院大学社会学部高坂健次研究室     
    • TEL:0798−54−6167
    • FAX:0798−51−0955
【大会テーマ趣旨説明文】

 人類の幸福はいかにして実現されるのだろうか。どのような社会経済システムが人類の幸福をもたらすのだろうか。

 近代の歴史をふり返れば、19世紀の功利主義は人間の幸福の加算を理想としたが、幸福になれたのは一部の人間に過ぎなかった。20世紀は、どの社会も豊かさをめざした、豊かになったのは一部の先進地域のみであり、世界的視野に立つならば、貧富の差は拡大しつつあるどころか、飢餓問題も決して克服できたわけではない。そして、豊かな社会にもアノミー、DV、自殺、ホームレス、自傷行為など独特の病理がつきまとう。

 21世紀に入って、問題は縮小するどころかグローバリゼーションの流れに付随する格差と亀裂を増幅させている。「テロとの戦い」といった最初から負のかたちで反転した現象も21世紀に固有の現象だろうか。その結果、現代社会は飢餓問題にはじまり、格差問題、豊かさの病理問題、その他の(グローバリゼーション時代に固有のものを含めた)自明ではない問題、を輻輳していると言える。そして、もう一つ重要なことは、どの時代も決して不幸はなくならなかったということだ。

 こうした歴史的過程において、個別科学はそれぞれに「人類の幸福」を求めてきた。経済学は主として福祉政策を通して、政治学は民主主義の確立を通して、社会学は豊かさにおける病理への対応を通して。工学もまた、広い意味でのテクノロジーの実現と発展を通して、人類の幸福への貢献を追求してきた。それにもかかわらず、不幸が決してなくなりはしなかったということの重みは今一度考え直してみる必要がありそうだ。

 社会学者の見田宗介は「システムの環としての幸福/幸福の環としてのシステム」について両者の「反転」可能性について述べている。つまり、大衆はシステムの誘惑に誘われてむしろ消費への欲望を喚起することがありうること、その結果、大衆が消費することは、それが資本の増殖過程の一環をなすからといって、それが大衆自身のよろこびであることに変わりはない、と。しかし、いつの時代も不幸が堆積しているとするならば、システムの環とは何であったのだろうか。同じ反転でも、幸福の環としてのシステムをシステムの環としての幸福に反転させるにはどうすればいいのだろうか。

 どのような社会経済システムが人類の幸福をもたらすのか、混迷の時代にあらためて問い直してみたい。さらに古来、哲学をはじめすべての科学は人類の幸福をめざしてきたはずである。しかし、専門分化の進行と日常化に伴って、いつしかその初心は放擲されたかのようにさえ映る。人類の幸福をもたらすシステム論がどのようなものでなければならないかも合わせて問い直したい。

 幸福の概念、幸福の尺度をどのように考えるか、それは人類に共通の一様なものか多様なものか、といった原理的な問い、幸福や不幸をもたらす社会経済システムのメカニズムについての理論的な問い、幸福の偏在を是正し不幸を解消するための規範的・実践的な問い、さらには現代社会における幸福と不幸をめぐる諸問題についての具体的・経験的な問いにいたるまで、さまざまなテーマとアプローチを構想してみることができるだろう。会員諸氏の積極的・意欲的な参加を期待する。

  1. 報告をご希望の方は、所属機関・氏名・報告論題・報告要旨(400字〜600字程度)を2005年5月31日必着で下記事務局までお送りください。
    • 送り先:〒594-1198 大阪府和泉市まなび野1−1 桃山学院大学社会学部 宮本孝二研究室気付
      • 電話:0725-54-3131(ex.3001)
      • fax:0725-54-3214(代表)
      • e-mail: miyamoto@andrew.ac.jp
  2. ご報告の採否は2005年7月頃にご通知できると思います。
  3. ご報告頂くことになった際には、2005年9月30日必着で3,000字程度の報告要旨原稿をお願いすることになりますので、あらかじめご了承ください。
  4. 第24回大会関連論文の機関誌への投稿締切日は2006年3月31日(必着)です。完成論文提出締切日は2006年9月30日(必着)となっております。大会関連論文、一般投稿論文、特集論文についての詳細は、社会・経済システム学会ホームページ内、機関誌編集方針の概要 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jasess/journal/memo.htmlをご覧ください。

■国立情報研電子図書館サービスでの学会誌公開に向けての手続きについて

 明年度に、国立情報研電子図書館サービスでの学会誌『社会・経済システム』公開に向けての手続きを進める予定ですが、その前提整備の一環として2004年10月30日(土)に開かれた総会において、学会誌掲載論文の著作権を学会がもつことを確認し、その旨を学会誌に記載することが了承されました。詳細は明年度総会で決定いただくまでにご説明することになりますが、著者固有の著作権の保全は当然の前提となっておりますので、会員各位にはよろしくご理解下さいますようお願い申し上げます。

■名誉会員について

 2004年10月30日(土)に開かれた総会において、学会会則第18条および名誉会員規定に基づき、長年にわたり学会の隆盛にご貢献された飯尾要・塩原勉・末石富太郎・吉田民人の4会員に、2005年度より本学会名誉会員となっていただくことが了承されました。

■名簿作成について

 会員名簿更新にあたり以下の要領で名簿作成を行います。会員の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 同封いたしました会員名簿記載内容確認用返信はがきに記載されている内容をご確認下さい。修正・追加を赤でご記入のうえご返信下さい。修正・追加がない場合はそのままご返信下さい。なお、返信期日は12月31日とさせていただきます。また、新しい名簿は2005年3月発行を予定しております。

■会費納入について

 会費未納(2004年度)、滞納(2003年度以前)の方には請求書を同封いたしましたので、納入のほどよろしくお願いいたします。納入には、同封の振込用紙をご利用下さい。

ホーム 更新情報 全国大会 機関誌 支部研究会 ニューズレター お知らせ 学会について

Copyright, 1999-2004, The Japan Association for Social and Economic Systems Studies