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ニューズレター・JASESS

ニューズレター ・ JASESS No.64

社会・経済システム学会  2005.4.1

 新年度が始まり、会員諸氏におかれましては、意気込みも新たに研究、教育に励まれておられることと存じます。

 今年度大会のご案内を中心に、ニューズレター・JASESS No.64をお届けいたします。

■社会・経済システム学会第24回大会のご案内

 社会・経済システム学会の第24回大会は、関西学院大学において下記の要領で開催することになりました。

  • 大会テーマ:「幸福・不幸と社会経済システム」
  • 開催日:2005年11月12日(土)・13日(日)
  • 場所:関西学院大学
  • 大会実行委員長:高坂健次
  • 連絡先:〒662-8501 西宮市上ヶ原一番町1-155 関西学院大学社会学部 高坂健次研究室
  • TEL:0798-54-6167
  • FAX:0798-51-0955
【大会テーマ趣旨説明文】

 人類の幸福はいかにして実現されるのだろうか。どのような社会経済システムが人類の幸福をもたらすのだろうか。

 近代の歴史をふり返れば、19世紀の功利主義は人間の幸福の加算を理想としたが、幸福になれたのは一部の人間に過ぎなかった。20世紀は、どの社会も豊かさをめざした、豊かになったのは一部の先進地域のみであり、世界的視野に立つならば、貧富の差は拡大しつつあるどころか、飢餓問題も決して克服できたわけではない。そして、豊かな社会にもアノミー、DV、自殺、ホームレス、自傷行為など独特の病理がつきまとう。

 21世紀に入って、問題は縮小するどころかグローバリゼーションの流れに付随する格差と亀裂を増幅させている。「テロとの戦い」といった最初から負のかたちで反転した現象も21世紀に固有の現象だろうか。その結果、現代社会は飢餓問題にはじまり、格差問題、豊かさの病理問題、その他の(グローバリゼーション時代に固有のものを含めた)自明ではない問題、を輻輳していると言える。そして、もう一つ重要なことは、どの時代も決して不幸はなくならなかったということだ。

 こうした歴史的過程において、個別科学はそれぞれに「人類の幸福」を求めてきた。経済学は主として福祉政策を通して、政治学は民主主義の確立を通して、社会学は豊かさにおける病理への対応を通して。工学もまた、広い意味でのテクノロジーの実現と発展を通して、人類の幸福への貢献を追求してきた。それにもかかわらず、不幸が決してなくなりはしなかったということの重みは今一度考え直してみる必要がありそうだ。

 社会学者の見田宗介は「システムの環としての幸福/幸福の環としてのシステム」について両者の「反転」可能性について述べている。つまり、大衆はシステムの誘惑に誘われてむしろ消費への欲望を喚起することがありうること、その結果、大衆が消費することは、それが資本の増殖過程の一環をなすからといって、それが大衆自身のよろこびであることに変わりはない、と。しかし、いつの時代も不幸が堆積しているとするならば、システムの環とは何であったのだろうか。同じ反転でも、幸福の環としてのシステムをシステムの環としての幸福に反転させるにはどうすればいいのだろうか。

 どのような社会経済システムが人類の幸福をもたらすのか、混迷の時代にあらためて問い直してみたい。さらに古来、哲学をはじめすべての科学は人類の幸福をめざしてきたはずである。しかし、専門分化の進行と日常化に伴って、いつしかその初心は放擲されたかのようにさえ映る。人類の幸福をもたらすシステム論がどのようなものでなければならないかも合わせて問い直したい。

 幸福の概念、幸福の尺度をどのように考えるか、それは人類に共通の一様なものか多様なものか、といった原理的な問い、幸福や不幸をもたらす社会経済システムのメカニズムについての理論的な問い、幸福の偏在を是正し不幸を解消するための規範的・実践的な問い、さらには現代社会における幸福と不幸をめぐる諸問題についての具体的・経験的な問いにいたるまで、さまざまなテーマとアプローチを構想してみることができるだろう。会員諸氏の積極的・意欲的な参加を期待する。

  1. 報告をご希望の方は、所属機関・氏名・報告論題・報告要旨(400字〜600字程度)を2005年5月31日必着で下記事務局までお送りください。
    • 送り先:〒594-1198 大阪府和泉市まなび野1−1 桃山学院大学社会学部 宮本孝二研究室気付
      • 電話:0725-54-3131(ex.3001)
      • ファックス:0725-54-3214
      • e-mail: miyamoto@andrew.ac.jp
  2. ご報告の採否は2005年7月頃にご通知できると思います。
  3. ご報告頂くことになった際には、2005年9月30日必着で3,000字程度の報告要旨原稿をお願いすることになりますので、あらかじめご了承ください。
  4. 第24回大会関連論文の機関誌への投稿締切日は2006年3月31日(必着)です。完成論文提出締切日は2006年9月30日(必着)となっております。大会関連論文、一般投稿論文、特集論文についての詳細は、社会・経済システム学会ホームページ内、機関誌編集方針の概要 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jasess/journal/memo.htmlをご覧ください。

■国立情報研電子図書館サービスでの学会誌公開に向けて

 以前よりお知らせしていますように、国立情報研電子図書館サービスでの『社会・経済システム』公開に向けて事務局では準備を進めています。本年11月12・13日に関西学院大学で開催予定の第24回大会での総会(11月12日開催予定)において決定していただくことになりますが、事務局としては「現在18号まで無料公開しているが、2006年1月からは発行後1年以内の号を除いてすべて無料公開する。」という方向で原案作成する方針です。その理由は

  1. 学会誌の在庫が累積傾向にあり事務局担当機関の負担が重いため、発行部数を最小限に抑え、新刊号は発行後1年以内に可能な限り売り切り、1年後には電子図書館で無料公開としたい
  2. 従来も18号まで無料公開しており、また有料公開は事務局に煩瑣な事務作業を増やすことになるだけではなく、学会での研究成果を広く伝達することの阻害要因となりかねないため、発行後1年以内の号を除いてすべて無料公開としたい

以上の2点です。ご意見ございましたら事務局長までお寄せ下さい。(miyamoto@andrew.ac.jp)

■会員名簿について

 2005年3月現在の学会会員名簿を作成いたしました。名簿記載事項に誤りや変更がござましたら、事務局までご連絡ください。また、今後、各種の連絡に電子メールを活用したいと考えておりますので、電子メールをお使いの会員でメールアドレスを学会に通知されていない会員はご通知いただけますようお願いいたします。

※会員名簿記載事項の訂正

(訂正箇所省略)

■住所等の変更について

 住所、電話番号、所属など登録事項に変更がございましたら、以下の社会・経済システム学会事務局まで至急ご連絡ください。名簿に電子メールのアドレスを掲載いただける方はアドレスをお知らせください。

  • 〒594-1198 大阪府和泉市まなび野1−1 桃山学院大学社会学部 宮本孝二研究室気付
    • Tel:0725-54-3131(ex.3001)
    • Fax:0725-54-3214(代表)
    • E-mail:miyamoto@andrew.ac.jp
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