ニューズレター・JASESS


ニューズレター ・ JASESS No.72

社会・経済システム学会  2007.11.1

 

謹啓 会員諸氏におかれましては、ますますご清栄のことと存じ上げます。

 さて、本学会の第26回大会が、10月13日(土)、14日(日)の両日、東京工業大学において開催されました。大会報告ならびに次回第27回大会の開催要領等についてお知らせいたします。

■第26回大会は好評裡に終了しました

 社会・経済システム学会第26回大会は、「異領域で対話可能なシステム概念の再構築を目指して 〜社会経済システム理論におけるシステム概念の捉え直し〜」と題する大会テーマのもと、10月13日(土)、14日(日)の両日、神奈川県横浜市の東京工業大学・すずかけ台キャンパスで開催され、大会テーマ企画をはじめ、各分科会の報告・討論も好評裡に終了しました。

 1日目午後の会長講演では、「社会経済システムの変遷と今後の方位」と題して、福田 亘会長に講演をして頂きました。

 なお今年度の大会は、第1日目に51名、第2日目に39名が参加し、盛況のうちに終了することができました。学会大会の開催に尽力された東京工業大学の出口弘大会実行委員長をはじめとする大会実行委員の皆様のご協力に深く感謝いたします。さらに、今大会は21世紀COEプログラム「エージェントベース社会システム科学の創出」との共催の下での開催でした。大会運営全般ならびに予稿集作成などさまざまなご支援を受け、開催できましたことをここに御礼申し上げます。

■第27回大会は、早稲田大学で開催することになりました

 社会・経済システム学会の第27回大会は、早稲田大学において下記の要領で開催することになりました。

セッションの構成

1)大会テーマセッション

大会テーマに沿った発表を歓迎する。申し込み時に大会テーマセッション希望と記していただいたもの、或は編集委員会で大会テーマに沿ったと判断した発表は大会テーマセッションとして扱う。

2)企画セッション

企画セッションは、適宜設定する。企画セッションについての提案を行いたい発表者は、発表申し込み時に企画テーマの概要とそのテーマでの発表のリストを添えて申し込んでいただきたい。セッションの設定の可否は編集委員会が行う。

3)自由論題セッション

広く社会経済システムに関する発表を公募する。

4)ポスターセッション

ポスターセッションは、萌芽的研究発表、学生による積極的な発表、シミュレーション等のデモや討議の場としても積極的に活用してほしい。

大会CFP:

 社会・経済システム学会では、広く社会・経済のシステムの理論・実証・応用に関する研究発表を募集しております。大会テーマセッション、企画セッションに加え、自由論題として社会経済システムに関する理論的、方法論的研究。一般システム理論、システム科学、エージェントベースモデリング等における社会科学と関連した、理論的、方法論的研究。社会経済の個別システムに関する、環境、NPO、行政評価、災害、情報化、ネットワーク化など多彩な問題関心からの分析、調査、シミュレーションなどの研究。その他、社会・経済・組織の諸領域に対する、理論、実証、応用など様々な視点からのシステム論的な研究発表を募集しております。

 若手・院生の研究発表も歓迎します。ただし発表は、場合によってショート発表、ポスターセッションあるいは院生セッションにまわっていただく場合もあります。

大会テーマ趣旨

 今日、変動する社会の中で構成することを要求される知はどのようなものなのであろうか。複雑化する世界は、地球規模で社会、組織、地域、家族、個の様々なレベルでその機能と意味のシステムを再構築することを要請されている。それに対して,我々の持つ知のストックは断片化し、それらをつなぎ合わせる知の構図は薄もやに隠れてその輪郭を捉えることは難しい。

 それどころか、異なった知や異なった理解をつなぎ合わせるための理念型や方法論を構築できないまま,社会を説明する様々な知の対話不能性、共約不可能性に我々は直面している。社会科学の内部、社会科学と人文科学、社会科学と自然科学・工学等様々な領域に様々なレベルでの共約不可能性が見いだせる。これらを認識し克服する努力なしに、文理融合や社会技術を語ることは欺瞞でしかない。

 これは半世紀前に、一般システム協会が構想した知の共通構造を見いだす挫折した試みの状況よりも、更に深刻な状況に我々は直面していることを意味している。システム概念そのものが、システム境界など基本的な概念のレベルで理念型として混乱し、またその再構築や共有にも失敗している。

 他方で、我々は、20世紀型の国民国家からも,また埋め込まれた生活世界や文化からも独立して、この世界を自律した自由なこととして捉え直し、読み解くための知の枠組みを要請されている。それには知の海図を描くためのメタ的な知のあり方と、社会や経済を読み解くための基本的な語彙としての理念型に関する諸技術を身につけることを必要とする。

 このような知の構築の理念は決して新しいものではない。古典的なリベラルアーツを構成する自由七科(文法 /レトリック /論理学 /数学 /幾何 /音楽 /天文学)は、市民が身に付けるべき「自由人の諸技術」としてヨーロッパで形成された。それは米国に於けるリベラルアーツカレッジに引き継がれ、戦後の日本の大学に於ける一般教育へと引き継がれる。だがそこでは、自らの力で、社会の諸問題を理解し、知の海図を描くための技術ではなく、単なる専門に対する基礎教育課程としての位置づけが行われてきた。

 今我々が再構築すべきは知の構図を描く方法論であり、人工物としての社会・経済システムの再構築のためのデザイン論そのものの再構築である。その海図を描くための道具がシステムの理念型となる。そのためには、現在生じている、システム概念の理念型としての混乱に終止符を打ち、すでに形の見えつつある内部モデル、構造変動、自己組織化、目的、学習、参加的アプローチ、解釈的方法、システム境界、目的、コミュニケーション、等々様々な新旧の理念型を整理し、互いに共約可能な用語でその知の体系を構築する必要がある。これらを通じて、新時代の社会システム科学を醸成し、生活世界まで含めてデザインサイエンスとして捉え直すことは、現代に於ける「自由人の諸技術」としての新たなリベラルアーツの創出に他ならない。

 本大会では、これら新たな知の体系の創出に関連し、システムの概念、理論、応用,更に教育に関する様々なレベルでの理論や方法論、実践、応用からの提言と討議を歓迎する。

  1. 報告をご希望の方は、所属機関・氏名・報告論題・報告要旨(400字〜600字程度)を2008年5月31日必着で下記事務局までお送りください。
    • 送り先:〒594-1198 大阪府和泉市まなび野1−1 桃山学院大学社会学部 宮本孝二研究室気付
      • 電話:0725-54-3131(ex.3001)
      • fax:0725-54-3214(代表)
      • e-mail: miyamoto@@@andrew.ac.jp(@を2つ削除してください) 
  2. ご報告の採否は2008年7月頃にご通知できると思います。
  3. ご報告頂くことになった際には、2008年9月20日(必着)でA4版×2枚ないし4枚(偶数枚のみ)の報告要旨原稿をお願いすることになりますので、あらかじめご了承ください。
  4. 第27回大会関連論文の機関誌への投稿締切日は2009年3月10日(必着)、完成論文提出締切日は2009年8月10日(必着)となっております。大会関連論文、一般投稿論文、特集論文の詳細は、社会・経済システム学会ホームページ内、機関誌編集方針の概要 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jasess/journal/memo.html をご覧ください。

■新入会員紹介

 〜次の方々の入会が10月13日(土)の総会において承認されました〜       (敬称略・※は学生会員)

■昨年度会計報告および今年度予算

 2007年10月13日(土)の総会で、昨年度の会計決算について小幡・村田両会計監事の監査報告書とともに事務局から報告があり承認されました。また、今年度予算案についても事務局より資料に基づき報告があり総会で承認されました。

 (詳細は省略)

■学会費滞納会員への会費請求方式について

 諸般の事情で学会費を滞納されている会員について、会費請求方式を次のように行うことがすでに過年度総会で決定されています。

継続して3年以上会費を滞納している会員(滞納4年目およびそれ以降の会員)には、学会誌は送付しないが、3年分会費の請求を行う。1年以上3年未満の会員(滞納3年目までの会員)には学会誌の送付とともに、滞納分の会費を請求する。長期滞納の会員におかれましては、会員資格継続が容易になっていますので、会費納入を何卒よろしくお願い申し上げます。

■名簿に記載いたしました役員一覧・機関誌編集委員・学会事務局員の訂正・変更についてのお知らせ

 以下、下線部について訂正させていただきます。関係各位には大変ご迷惑をおかけいたしました。謹んでお詫び申し上げます。

役員一覧(敬称略)                 

機関誌編集委員(敬称略)

 以下のように事務局会計担当者の変更をさせていただきます。(敬称略)

■各会員からのご変更届に従いまして、以下のようにご登録内容の変更をさせていただきます。(敬称略)

 (詳細は省略)

■変更届のお願い

 ご住所、ご所属、その他、会員情報にご変更がございましたら事務局(桃山学院大学社会学部宮本孝二研究室、E-mail:miyamoto@@@andrew.ac.jp、@を2つ削除してください)までお知らせください。

■会費納入のお願い

 今年度及び前年度以前の会費納入を済まされていない会員には、請求書及び振込用紙を同封いたしましたので、納入のほどよろしくお願いいたします。



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