社会・経済システム学会 2008.12.1
謹啓 会員諸氏におかれましては、ますますご清栄のことと存じ上げます。
さて、本学会の第27回大会が、10月11日(土)、12日(日)の両日、早稲田大学において開催されました。大会報告ならびに次回第28回大会の開催要領等についてお知らせいたします。
社会・経済システム学会第27回大会は、「リベラルアーツと社会経済システム論:−知の海図を与え世界を語る基礎的用語としてのシステム概念の検討−」と題する大会テーマのもと、10月11日(土)、12日(日)の両日、東京都新宿区の早稲田大学・大久保キャンパスで開催され、企画分科会をはじめ各分科会の報告・討論も好評裡に終了しました。
1日目午後の記念講演では、「新しいリベラルアーツ像を求めて:社会システム学の構想」と題して、今田高俊先生(東京工業大学)に講演をして頂きました。
なお今年度の大会は、第1日目に69名、第2日目に55名が参加し、盛況のうちに終了することができました。学会大会の開催に尽力された早稲田大学の高橋真吾大会実行委員長をはじめとする大会実行委員の皆様のご協力に深く感謝いたします。さらに、今大会は昨年に続き21世紀COEプログラム「エージェントベース社会システム科学の創出」との共催の下での開催でした。ご支援を受けましたことをここに御礼申し上げます。
2008年10月11日(土)開催の総会において次期理事選出の選挙が実施され、得票数上位10名の会員が次期理事に選出されました(以下の10名、五十音順・敬称略)。
竹下公視(関西大)、田中秀幸(東京大)、谷本寛治(一橋大)、津田直則(桃山学院大)、出口弘(東工大)、徳安彰(法政大)、中山慶子(静岡県立大)、日置弘一郎(京都大)、福田亘(岡山商大)、宮本孝二(桃山学院大)
また10月12日(日)に上記10名(津田会員欠席で9名)の理事による新理事会が開催され、20名の次期理事と2名の次期監事が選任されました(以下の20名および2名、五十音順・敬称略)。
赤堀三郎(東京女子大)、岩田昌征(東京国際大)、宇野斉(法政大)、奥田栄(人間環境大)、小野瞭(はこだて公立大)、金子泰純(和歌山大)、木嶋恭一(東工大)、喜多一(京都大)、高坂健次(関学大)、後藤玲子(茨城大)、阪本靖郎(兵庫県大)、高尾義明(首都大)、高瀬武典(関西大)、高橋真吾(早稲田大)、長尾史郎(明治大)、奈良由美子(放送大)、野田隆(奈良女子大)、牧野丹奈子(桃山学院大)、依田博(京都女子大)、渡辺聡(静岡県立大)
監事(2名): 小幡範雄(立命館大)、村田晴夫(青森公立大)
なお、次期理事および次期監事の任期は、2009年4月1日から2011年3月31日までです。
10月12日(日)の新理事会において、次期会長をはじめとする新役員予定者が決定いたしました。
会長:谷本寛治、副会長:竹下公視、事務局長:奈良由美子、会計:赤堀三郎、学会誌編集長:徳安彰、学会誌編集印刷関連:出口弘、学会誌バックナンバー保管:東工大(出口研)
関東支部長:徳安彰、関西支部長:竹下公視
なおウェブ管理は引き続き青山知靖会員(静岡県立大)に担当していただくことになりました。
社会・経済システム学会の第28回大会は、関西大学において下記の要領で開催することになりました。
現代の社会経済の変化はすさまじく、内外の社会経済システムの構造が激変し、多種多様な問題が連鎖的に噴出している。国際的には、深刻さを増す地球環境問題や逼迫する資源・エネルギー問題、あるいは米国発の金融危機や中国経済の先行き不安など、問題が山積している。さらに、国内的には、少子高齢化や財政再建の問題に加え、疲弊した地域経済の再生や人材育成の問題、食の安全、悪化する労働・生活環境の改善や格差社会の是正など、多くの問題が差し迫ったものとなっている。
現代社会がこうしたグローバルに関連する問題群を抱えるようになったのは、1960、70年代に経済が成熟し「豊かな社会」を迎えた先進諸国がその後の「脱工業化社会」への模索のなかで、打開策を国外に求め、70年代のドルショックや80年代の金融ビッグバンに代表される規制緩和・撤廃によって自由市場経済のグローバル化を推し進めたことに起因する。とりわけ、1990年前後の社会主義体制崩壊以降は、情報技術革命の動きに押されて、グローバルな問題群が一気に顕在化した。
これに対して、フランス、ドイツを中心とする大陸ヨーロッパ諸国は、ヨーロッパという地域に根を張る社会経済システムのモデルを新たな代替モデルとして提示した。1990年代後半から21世紀のはじめにかけては、アメリカ、イギリスのアングロ・サクソン諸国の社会経済モデルが高い経済パフォーマンスを示し、またそれを範として制度転換を進めたわが国も、戦後最長の好景気を記録し、その限りで良好なパフォーマンスを示した。けれども、現在、米国発の金融危機が各国に波及し、世界的な金融システム不安が加速化し、景気悪化への危機感が強まっていることに対して、各国が公的資金を導入し、協調的な政策対応を取っていることに端的に現れているように、現代の社会経済システムはグローバルな危機や問題を抱えているだけでなく、そのことが同時にまた、財政赤字、地域経済の疲弊、労働生活環境の悪化などの国内的な諸問題とも連動している。
一見多種多様に見える上記の問題群も、その元を辿れば、それまで社会のなかに埋め込まれていた社会経済的規範を支える制度的枠組みが取り払われたことに起因する。したがって、今日起こっている諸問題群の根本的解決のためには、それらを新たなローカルな制度的枠組みのもとに組み入れ直し、トータルな問題解決を試みることが必要不可欠である。このように捉えるとき、今日顕在化している問題群の根底には国際的にも国内的にも社会経済システムの「持続可能性」(sustainability)と、それを具体的に展開するための「地域総合デザイン」(community design)が社会的に要請されているということができる。
本大会では、「持続可能な社会経済システムと地域総合デザイン」という大会テーマの下、多くの会員のご参加とご報告を期待したい。
〜次の方々の入会が10月11日(土)の総会において承認されました〜 (敬称略・※は学生会員)
総会でご報告した退会会員一覧に誤りがありました。
若森章孝会員は引き続き学会に所属されます。お詫びして訂正させていただきます。
2008年10月11日(土)の総会で、昨年度の会計決算について小幡・村田両会計監事の監査報告書とともに事務局から報告があり承認されました。また、今年度予算案についても事務局より資料に基づき報告があり総会で承認されました。
(詳細は省略)
■名簿作成について
2年ごとに3月末に発行する学会名簿について、春の異動等が反映されにくいため、発行月を明年度から7月とすることにいたしました。3月末の学会ニューズレター発送時に再度、名簿掲載登録内容を各位にお知らせし4月1日より新事務局で修正受付を実施する予定ですが、7月発行までに時間的余裕がないと思われますので、現時点で可能な限り登録内容の修正を実施しておくことにいたしました。
同封の別紙「2009年度版会員名簿作成について」をご確認のうえ、ご訂正ある場合のみ該当事項を事務局までメールにてお知らせ願います。返信先:miyamoto@@@andrew.ac.jp(@を2つ削除してください)
今年度までの会費納入を済まされていない会員には、請求書及び振込用紙を同封いたしましたので、納入のほどよろしくお願いいたします。
※お振込み人氏名が不明の会費振込みがあります。会費をお振込みの際には同封の振込用紙に必ず、ご氏名とご登録住所をご記入くださいますようお願い申し上げます。また、お振込み領収証等、振込み記録は破棄せずに保管していただきますようお願いいたします。
ご住所、ご所属、その他、会員情報にご変更がございましたら事務局(桃山学院大学社会学部宮本孝二研究室、E-mail:miyamoto@@@andrew.ac.jp(@を2つ削除してください))までお知らせください。
※ニューズレター等配布物の返送が相次いでおります。送付先変更がございましたら速やかに上記宮本孝二宛メールアドレスまでお知らせくださいますようお願いいたします。
本年も会員の皆様にはご尽力いただき誠にありがとうございました。よいお年をお迎えください。
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