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社会・経済システム学会 第23回大会プログラム

システムのリスクと安全を考える

目次

過去の全国大会

社会・経済システム学会 第23回大会・大会テーマ

「システムのリスクと安全を考える」

大会テーマ趣旨説明文

 今日、われわれの周囲には、生活を脅かすリスクが多種多様なかたちで存在している。

 国際関係における政治的・軍事的な紛争・緊張、ボーダーレス化した経済システムが引き起こす金融危機、先進国の少子高齢化がもたらす福祉国家の危機、途上国の人口爆発がもたらす飢餓や貧困、科学技術の発展がもたらす環境や生命への悪影響、IT革命による新たな情報管理問題など、問題は生活の全領域に及んでいる。

 これらのリスクは、国連のような国際的システム、国家、企業、官公庁、学校などの組織、地域社会、家族、そして一人一人の個人にいたるまで、さまざまなレベルで多様な形態をとって現れており、しばしば従来型の対処法では十分に安全を確保することが困難になってきている。地震や台風のような自然災害でさえ、社会・経済システムと関係づけることなしには、リスクと安全の問題を考えるのは難しい。

 20世紀もとくに後半になると、グローバル化、リージョン化、ローカル化が同時進行する中で、社会・経済システムの構造はかつてないほど多元的で複雑なものになり、社会現象の相互連関や発生メカニズムを見通すことがきわめて困難になってきた。日常生活の中にある身の回りのリスクが、一方ではグローバルなシステムと関連し、他方では高度な科学技術の体系と関連することが多くなってきた。

 このような状況は、われわれにリスクと安全の再検討を迫る。一方では、そもそも現代社会におけるリスクと安全はどのように定義されうるか、社会・経済システムの中でリスクはどのように発生し、どのような安全の対処が可能かという理論的な問題がある。また、リスク発生の責任を帰属される主体は何か、リスクに対処し安全を保証する責任を負う主体は何か、という法的かつ倫理的な問題もある。

 他方では、環境・資源、飢餓や貧困、安全保障、医療と健康、福祉、情報システム、教育、コミュニティ、家族など、具体的領域におけるリスクと安全をめぐる多様な問題がある。それらは学術的な分析を必要とするだけでなく、実践的な改善・解決を切実に求めている。

 システムのリスクと安全という観点から、われわれは21世紀型の社会・経済システムをどのように構想することができるだろうか。この問いかけのもとに、現状分析から将来構想にいたるまで、理論と実証の両面から、専門領域を超えた会員諸氏の広範で野心的な議論が展開されることを期待する。

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